平成28年より、国外に居住している親族を扶養親族とする際の手続きが変わりました。
国外居住親族であっても生計を一にしており、合計所得金額が38万円以下であれば扶養親族とすることができます。
同居はしていないけど生計一、というためには国外居住親族へ仕送りをしているという事実が必要になるでしょう。
従来はその点のチェックが甘めだったのですが、数年前に会計検査院が扶養控除額の多かった外国人約1,400人分の確定申告の記録を調べたところ、
扶養家族の人数は平均で約10人、なかには「20人以上」と申告した例もあったということです。
事実としてたくさんの親族を養われている方もおられるでしょうが、会社に扶養控除の申告さえすればやりたい放題ということもあったであろうと思います。
今回はそこに税制改正のメスが入りました。
平成28年1月1日以後に支払われるべき給与等について、国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受ける場合には、親族関係書類(戸籍の附表など)及び送金関係書類(仕送りをした海外送金依頼書など)を源泉徴収義務者(会社など)に提出又は提示しなければならないこととされました。
ここで困ったことがひとつあります。
仕送りを年間いくらすれば扶養と認められるかという明確な基準がありません。
給与所得者の年収、家族構成、国外居住親族が居住している国の生活水準などいろいろな要素があると思いますが、何らかの基準は欲しいものです。
会社の従業員さんで該当する方がおられる場合は、早めに準備を済ませるようにしましょう。