資本金の決め方

株式会社を設立する際に悩む事項のひとつに、資本金をいくらにするかということがあります。

平成18年の会社法施行以後、資本金は1円からでも株式会社が設立できるようになりました。

いくらでもいいと言われると逆に悩んでしまいますね。

いったいどのようにして資本金を決めたらよいのでしょうか。

a0001_016173

 



当然資本金は会社の経営に必要なお金ですので、初期運転資金の何か月分という決め方をするのももちろんアリです。

今回は税金面での違いを整理していきたいと思います。

 

1.消費税

資本金が1,000万円未満の会社は最大2年間消費税の納税義務が免除されますが、1,000万円以上の法人は1期めから消費税の課税事業者となり、消費税を納付する必要があります。

2.地方税の均等割

都道府県と市町村に支払う地方税の均等割という税金が資本金1,000万円超になると高くなり、1億円超になるとさらに高くなります。

均等割は赤字であっても都道府県、市町村内に事務所等があるだけで支払う必要があります。

ちなみに大阪府、大阪市に本店があり、従業員50人以下の法人の場合、資本金1,000万円の法人の均等割は年70,000円ですが資本金1,000万円超の法人は205,000円、資本金1億円超の法人は420,000円となります。

3.外形標準課税

資本金1億円超の法人は都道府県に収める事業税に外形標準課税というものが加わります。

外形標準課税は資本金に対してかかる資本割、人件費や家賃についてかかる付加価値割があり、利益に対してかかる所得割とは別に赤字でも支払わなければなりません。

4.法人税の軽減税率

資本金1億円超の法人の法人税率は25.5%ですが、1億円以下の法人は年800万円以下の所得に対して15%の軽減税率が適用されます。

5.交際費の損金算入

交際費は原則として損金不算入ですが、資本金1億円以下の法人については一事業年度につき800万円までは損金として計上できます。

一方、資本金1億円を超える場合は、接待飲食費に限り、その金額の50%は損金算入が可能ですが、その他の交際費は損金不算入となります。

 

他にもあると思いますが、こうして整理してみると税金面だけでも資本金1,000万円以下、1,000万円超1億円以下、1億円超という3つのゾーンに分かれることがわかります。

特に1億円超になると「中小企業」という括りがなくなり様々な特例が受けられなくなるため注意が必要です。

SNSでもご購読できます。

コメントを残す