確定申告書に記載する所得控除は全部で14種類あります。
社会保険料控除、生命保険料控除、配偶者控除、扶養控除、医療費控除などよく目にするものもあれば、めったにお目にかからないものもあります。
今回はそんな所得控除のうちの一つ「雑損控除」をご紹介します。
雑損控除は災害又は盗難若しくは横領によって、資産について損害を受けた場合等に一定額の控除が受けられるものです。
災害には震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害から火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害などが含まれます。
横領による損害には適用されますが、詐欺による損害は適用外です。
横領は自分の意志に関係なく損害を受けますが、詐欺は騙されているとはいえ自身の意思により金銭を支出等して損害を被るものという違いがあります。
振り込め詐欺の損害がお年寄りを中心に猛威を振るっているご時世にその判断はちょっと冷たいんじゃないかと思います。
雑損控除として所得控除になる金額は、次のいずれか多い方の金額です。
(1)(差引損失額)-(総所得金額等)×10%
(2)(差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円
差引損失額は下記の計算により算出します。
損害金額 | + | 災害等に関連した やむを得ない支出の金額 |
– | 保険金などにより 補てんされる金額 |
雑損控除は不幸な出来事に基づく所得控除なのでできるだけお目にかからない方が良いのですが、いざ上記の事実に出くわしてしまった場合には確定申告をして損失を少しでも取り戻すようにしましょう。